観光ではなく探検したいなら「トゥルカナ湖国立公園群」

「トゥルカナ湖国立公園群」はかなりアクセスが難しい場所になっています。ナイロビから北へ800キロという場所になっているので、ナイロビから車で行く場合にはオフロード車は必須で、陸路で2日から3日ほどかかります。オフロード車必須の理由は道路が舗装されているのは、ナイロビ側のごく一部になっているからです。もちろん激しくアップダウンをする陸路を途中でニャフルルやマララルなどに宿泊しながらの行程になるのでかなりハードです。これはやっぱり飛行機で行きたい。と思いますが、飛行機の場合はチャーター便のみだけになっています。交通の便がかなり不便な分だけ、到着した時の喜びとここでしか見られないもの、そして秘境ゆえ観光資源がたくさなりながら観光客が少ないので気分は「ナショナルジオグラフィック」のカメラマンになれる場所です。

観光ではなく探検

「トゥルカナ湖国立公園群」は、トゥルカナ湖東岸のシビロイ、湖に浮かぶ火山島セントラル・アイランド、火山島のサウス・アイランドという3つの国立公園からなる世界遺産になっています。ナイル水鳥、ワニやカバの一大生息地になっていて、総面積は約1600キロ平方メートルです。そして、人類祖先ともいわれる先史時代はどんな生活環境だった?!ということを紐解くための、人類祖先の化石産地もあります、1980年代には約180万~100万年前の先史時代の人類「クービ・フォラ」:Koobi Fora(またはコービ・フォラ)の骨がシビロイ公園で見つかって大きな脚光を浴びました。

遺跡

コービ・フォラ(クービ・フォラ)から発見されたのは、200万年前の人類だと考えられるホモ・ハビリスの骨です。ホモ・ハビリスは2014年現在分かっている中で、一番初期のヒト属になります。ヒト科のアウストラロピテクスから枝分かれしたと考えられています。

アウストラロピテクスはとても頑丈なあごを持つヒト科の絶滅種ですが、ホモ・ハビリスの骨が発見される前までは一番ヒト属で初期だと考えられていたのが、アウストラロピテクスになります。 そして、1999年には350万年前の人類の、ケニアントロプス・プラチオプスも見つかっています。

トゥルカナ湖

トゥルカナ湖の英語呼び名は「翡翠の海:Jade Sea」です。翡翠の海と呼ばれるだけあり、荒涼とした湖岸に縁取られているのはエメラルドグリーンの湖水です。エメラルドグリーンになっているのは、、植物プランクトンのため深い緑色をしています。トゥルカナ湖は草木の生えていない絶壁の間を南北に伸びる印象的な景観になっていますが、南北は250kmに渡り東西は最大で40kmの細長い湖になっています。ほとんどはケニアになりますが北の端は国境を超えてエチオピアに入ります。

流入河川はエチオピア側になっていて、湖の北端に河口が開くオモ川が最大になります。トゥルカナ湖に流入する水量の90%以上を供給しています。小規模なものがケニア側になります。

トゥルカナ湖の周りは、とても暑く乾燥した地域になっていて、多くの火山岩があります。そして中央にある島は活火山になっています。陸地の気温の変化に比べると、水温の変化はゆっくりしているので、湖の周りでは強い風が吹くこともあります。

湖の発見と呼び方

この湖が発見されたのは1888年のことです。ハンガリーのサミュエル・テレキと、オーストリアのルードヴィヒ・フォン・ヘーネルによってこの湖が発見されました。そして発見した彼達は、オーストリア皇太子のルドルフの名にちなみこの湖を「ルドルフ湖」と名付けました。現在は「トゥルカナ湖」と湖の名前が変わっていますが、これは1975年にこの湖の主に西岸に居住している「トゥルカナ族:Turkana」の名前を取って「トゥルカナ湖」へと「ルドルフ湖」から改称されています。

現地に住んでいるのは3部族です。湖の名前の由来となっているトゥルカナ族:Turkanaはもちろんですが、ほかにガブラ族:Gabbra・レンディーレ族:Rendilleです。トゥルカナ族のひとたちはこの湖をトゥルカナ湖とは呼ばずに「anam Ka'alakol」と読みますが、この意味は「多くの魚」という意味になっています。

そしてトゥルカナ族の他に周辺に住む部族の、ガブラ族・レンディーレ族 ・サンブル族 ・ボラナ族 といった湖に住む周辺の住民のひとたちは昔ながらの伝統な遊牧で生活している。 この湖が一年のうちに一番乾燥する期間になると、ラクダやヤギといった家畜をシビロイ国立公園の中に入れることが認められています。ここは降水量が少ないため、農業は行われていません。

考古学の観点でのトゥルカナ湖

古代の時代200万年~300万年前にさかのぼると、トゥルカナ湖はいまよりももっと広くそして肥沃な湖でした。そのためこの湖は、化石人類の生活の中心だったと考えられています。ケニアの古人類学者として名高いルイス・リーキの息子のリチャード・リーキーは、トゥルカナ湖の周囲でとても重要な発見をしました。その発見は、人類の進化を知る上でとても大事な役割を果たす発見となりました。

200万年前のホモ・ルドルフエンシスの化石"1470番頭蓋"を1972年に発見したことです。この"1470番頭蓋"を発見した当初は、ホモ・ハビリスと同一の物だと考えられていましたが、人類学者たちの検証によってこの化石は新しい種と判断されました。そして発見したホモ・ルドルフエンシスという名称は、湖の当時の名前だった「ルドルフ湖」にちなみつけられています。

そしてさらに最初の発見から12年後の1984年に、コモヤ・キメウによって今度はホモ・エレクトスのほぼ完全に近い化石のトゥルカナ・ボーイが発見されています。そして近年にはミーヴ・リーキーによって350万年前の頭蓋骨が発見されています。

人類の進化を知る上で、トゥルカナ湖は今一番とても熱い注目を集めている土地ですが、ナイロビから3日間かかるいう立地上の不便さもあり、観光地化されていることはなく渡り鳥やフラミンゴといった350種以上の鳥類のほか、ナイルワニやカバの棲息地としても知られている動植物にとってもとても貴重な研究地区になっています。